善福寺池の猫
私はこれまでエアコンを買った事がありません。
暑いのは平気でしたし、
みんながエアコンを使わなければ都会はもっと涼しくなる
というエコ思想を実践していたのです。(本当です)
しかしそんな私でも異常なまでの気温上昇で眠れなくなる日がありました。
そこで緑多い公園に行って涼もうと思い立ち、東京杉並の善福寺公園へ行く事にしました。
夜中でしたので数組のカップルくらいで人はほとんどいません。
善福寺池のほとりのベンチに座り缶コーヒーを飲み始めたときのことです。
にやぁ、にやぁ、ばちゃばちゃばちゃと、子猫が池で溺れて助けを求めている声がします。
急いで声の方角に走って確かめようとしましたが何も見つかりません。
すると別の方角から、にやぁ、にやぁ、ばちゃばちゃばちゃと聞こえてきます。
またその方角へ走ってもやはり何もありません。すると別の方角から...
何度か繰り返すうちに、これは水木しげる先生の本で読んだことあると気づいたのです。
にやぁ、にやぁとうるさい声を振り切って家に戻って調べてみました。
川赤子という妖怪で、赤ん坊が溺れているような音で人間をからかうということで、
水木先生自身も同様の体験をしたそうです。
夜中の善福寺池では赤ん坊よりも子猫の方がリアリティがありますから、
なかなか賢い奴のようです。